abさんごのタイトルの意味とは? [黒田夏子さん]
小説タイトルの「abさんご」と聞いて最初に浮かんだのは、
なにか漠然とした数式のイメージでした。
でも、著者の受賞インタビューを読むと
全く違ってました(笑)
どうやら「枝分かれした珊瑚」
らしい。。。(?)
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【質問】
「abさんご」というタイトルにはどういう意味がありますか。
【黒田さんの回答】
いろんな連想をして頂きたいので、書いた側であまり説明はしたくはないんですけれども、少なくとも表面的な意味では「abさんご」は「aかbか」という選択肢の意味の「ab」です。
それは私の作品を読んで頂くと、最初と最後のところでそれが選択肢を意味するということはわかるようになっています。「aなのかbなのか」枝分かれという意味で、「さんご」の、生きているさんごではなくて骨格の、波に洗われうちあげられたさんごは枝分かれしているので、そのイメージを結びつけています。
そして「abc」のCは(さんごと同じ)S音で、英語でもcoralのCなので、それでつけました。それが表面的なタイトルのつけ方です。
それ以外にまあ、できることなら、いろいろと読む側がご自由に連想を広げて頂きたいと思います。
BookAsahi.com 黒田夏子さん芥川賞受賞会見より
--abさんごのあらすじを読む--
・コラム:ことばでとらえたいものをとらえたい
・コラム:abさんご〈受像者〉とジェネシス〈月影の騎士〉の夢
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